旅は駅弁で終わるのです!

≪ 第7話「最後の宴?」

越前の旅⑧ 旅は駅弁で終わるのです!

福井駅で迷います

 旅は駅弁で始まり、駅弁で終わる という格言があります。
 誰が言い出したのか知らないけど、実に良い言葉ですねー。
 こばとはその格言にしたがうべく福井駅で
「どのお弁当にしようかなー」
と真剣に悩んでいました。

小夜子
 あのさ、お弁当は金沢駅で買って新幹線でゆっくり食べたらどうかな?

こばと
 ダメ!!

路子
 出た。こばとちゃんのダメだし。

こばと
 今回は福井旅行だったんだからー、福井の駅弁買わなきゃダメでしょー!
 そこんとこ、間違えたらダメでしょー!

沙希
 ...... なんなの、その意味不明なこだわりは。芦原から直接金沢に向かったほうが早いのに、わざわざ逆方向の福井駅まで来て弁当買うとか、ありえないんだけど。

こばと
 沙希ちゃんには旅の流儀がわかっていませんねー。

小夜子
 どうでもいいから早くしてくれないかな。

こばと
 ええとね、ええとね ...... まずは『おとなの焼き鯖寿し』ですねー。
 これは絶対に外せませんねー。もうひとつはどうしようかな。

かばね
 また2つも食べるの?

こばと
 色々な味を楽しむなら、やっぱり『幕の内弁当』ですよねー。
 しかし『加賀彩々』も見捨てられませんねー。困りましたねー。

小夜子
 .........

路子
 さっちゃん、落ち着こう。イライラは体に良くないよ。

こばと
 決めました! 今回は『加賀彩々』にしますよ!
 『幕の内弁当』さん、ごめんなさいですよー。
 次に来た時は必ず買いますからねー。

沙希
 ...... 弁当に話しかけなくていい。

 かくして福井から北陸本線で金沢に向かいます。

こばと
 ぱくぱくぱく。旅を締め括る駅弁は美味しいですねー♪
 まさに 旅は駅弁で始まり、駅弁で終わる ですねー♪

小夜子
 ...... 誰の言葉なの?

こばと
 知らない。ネットに載ってた。

時雨
 楽しかった旅行もあっという間に終わってしましました。
 なんだか寂しいです。

路子
 来年のGWもまた皆でどこかに行こうよ。

時雨
 はい! 来年こそはハワイに行きましょう!

こばと
 まだ旅は終わってませんよー。
 家に着くまでが旅行です。気を引き締めていきましょー。

小夜子
 ...... 小学生の遠足じゃないんだからさ。
 あ、そろそろ金沢に着くよ。今度は私たちのお弁当を買わないと。
 

金沢駅で迷います

こばと
 どれにしましょうかねー。迷いますねー。

かばね
 また買うつもりなの!?

沙希
 「福井旅行だから福井の駅弁」とか言ってなかった!?

こばと
 それはそれ、これはこれ。

小夜子
 ...... どんな胃袋してんのよ。

時雨
 私は『百万石物語』にします!
 笹寿司と色々なお料理が盛り合わせてあります!

こばと
 確かに『百万石物語』は豪勢ですねー。

小夜子
 私は『味の四季彩・華(はなやか)』にしようかな。

こばと
 おお。旬の野菜が味わえる『華』を選ぶとは、なかなか通ですねー。
 こばとも、それにしようかなー。
 でもあっちのお弁当も美味しそうだし、こっちのお弁当にも惹かれますねー。

沙希
 もうみんな決めたわよ。さっさとして。

小春
 新幹線に乗り遅れちゃうよー。

こばと
 もう少し待ってくださいなー。
 ええと、ええと ...... ここは意表をついて『三食ちらし』とか ...... いえ、今度こそ『幕の内弁当』で巻き返しをはかるとか?

小夜子
 .........

路子
 はいはい、さっちゃん、落ち着こうか。イライラは体に良くないよ。

こばと
 いえ、ここはやはり『あわびめし』ですねー!
 実は迷っていると見せかけて、最初からこれにしようと決めていたのですよー。

小夜子
 !!!

路子
 はいはい。さっちゃん、切れないでね。
 こばとちゃんと旅行すると、こういうことは付き物なんだしさ。

時雨
 小夜子先輩、とっても怖い顔になってます。

小夜子
 ...... もう我慢の限界なんだけど。

和菓子

こばと
 旅の最後の駅弁をいただきますよー!
 名づけて「ザ・ラスト・エキベン」ねー!

路子
 ら、ラスト・エキベン!?

小夜子
 ...... 言葉のセンスが悪すぎる。
 ...... それでよく「言葉の妖精」なんて名乗れるね。

こばと
 ひゃああ! これはまた絶品ですねー!
 ご飯があわびの汁を吸って ...... ええと、ええと、なんと言っていいか分からないけど、とにかく美味しいですねー。すっごく美味しいですねー!

路子
 ...... そこはちゃんと表現しようよ。言葉の妖精なんだしさ。

小夜子
 ...... あくまで「自称」だからね。

路子
 あれ? さっちゃんのお弁当、和菓子までついてるの?

小夜子
 うん。ちょっと贅沢な感じがいいよね。

こばと
 ねえねえ、そのお菓子、こばとにちょうだい。

小夜子
 はあ!? あげないわよ!?

かばね
 こばと! そうやって何でも人の物を欲しがるんじゃありません!

沙希
 社会的ルール云々以前に、まるで五歳児を諭すようなお説教だわ。
 

旅の終わり

 お弁当を食べたあとは皆で旅行中の出来事を語り合ったり、こばとが踊ったり、時雨ちゃんがうとうとしたりしながら時間が過ぎて行きました。そうしているうちに新幹線は東京駅に到着しました。こばとたちは荷物を持ってホームに降りました。

小夜子
 それでは、かばねさん、どうかお元気で。

かばね
 ええ。とても楽しい旅行だったわ。

沙希
 かばねさんは、このあとまた乗り換えて北海道まで長旅ですね。

かばね
 平気よ。独り旅は慣れているから。

こばと
 姉さん、またねー。

かばね
 こばと、今日は帰ったら早く寝なさい。
 その前にちゃんと歯を磨きなさいね。
 明日出勤したら、仕事用メールに全部目を通すんですよ。

こばと
 わかってるってばー。
 こばとは、もう大人なんだからー。
 毎回おんなじことばかり言われて、いやんなっちゃうな。

沙希
 旅行中に散々子供じみた振る舞いをしておきながら、ここで「大人」を主張できるってのは、ある意味すごいわね。

小夜子
 全く同感。

こばと
 それでは帰りましょー。
 山手線に乗ってお家に帰りましょー。
 皆さーん、お家に帰るまでが旅行ですよー。

<最後まで読んでくれてどうもありがとー!>

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