【走る/駆ける】全力疾走で危機を脱します

 【逃げる/逃げ回る】ピンチのときには逃げましょう

 警官に追われる犯罪者が路地裏を逃げ回ったり、サバンナに置き去りにされた主人公がライオンに追いかけまわされたり(どんな小説?)、特売のチラシを見た主婦が閉店間際のスーパーに急いだりと、作中の登場人物が「走る」場面は色々と想定されます。走らなくてはいけないという状況は読み手をハラハラドキドキさせます。緊迫した事態を的確に伝えるためにも言葉選びに手は抜けません。

 ・由香里は慌てて交番に駆け込んだ

と書かれてあれば、それだけで読み手に事件性を想起させますし、

 ・小太郎君は慌ててトイレに駆け込んだ

とあれば、「小太郎君、何とか間に合ったんだね」とひと安心です(馬鹿な例文で申し訳ないです)。ちなみにこばとの友人の牛込友里ちゃんの弟の牛込小太郎君とは別人です。あくまで例文ですからね。架空の人物ですよ……と一応付け足しておきます。

「急ぐ」で代用してみます

 場面によっては、

 ①沙希は試験会場まで走った

よりも、

 ②沙希は試験会場に急いだ

というように「走る」を「急ぐ」で置き換えられますが、本当に走っているのかどうかは少し曖昧になります。早足で歩いているのかもしれませんしね。①が「あの子は時間がないから走って間に合わせている」という外から眺めるような客観的描写であるのに対して、②は「急いでいる」という本人の心情のほうに焦点が移っています。

【走る/駆ける】の文例集

<"走る" の基本形?>
 「廊下を走ってはいけません!」

 世代を問わず、日本でもっとも使われている「走る」の言い回しかもしれませんね。
 どうして子供って何度注意されても廊下を走るんでしょうね?

<急げば、たぶんそのぐらい>
 池袋駅から『あとりえこばと』まで走って5分です。

 別に走らなくてもいいけどね。
 歩いても10分かそこらですから慌てないでくださいな。
 ちなみに『あとりえこばと』は、こばとが経営する出版社の名前。
 ここのサイト名と同じだから、ちょっと紛らわしいけどね。

<あーあ、行っちゃった……>
 発車時刻に間に合わず、目の前を走り過ぎる列車を呆然と眺めるしかなかった。

 悲しいね …… 元気出してね。

<完走です!>
 市民マラソンに参加して 42.195 キロを走り抜いた

 偉いですねー。こばとも頑張ろうかな。
 いつも飛んでばかりだと足腰弱るしね。
 とりあえず最初は 42 メートルぐらいから。

<比喩的な意味で走ります>
 小説を執筆中に気分が乗って、すらすらとペンが走りました

 え? パソコンで書いているからペンが走ることはない? あくまで比喩表現ですから、別にパソコンでもいいんです! 多分・・・・・・いいのかな? ちょっと自信なくなってきた。じゃあ、パソコン用に何か別の表現法でも作りましょうかね。

<キーボードで執筆>
 作中の人物が動きだしたので、すらすらと指が走りました

 こばとオリジナルの慣用句です。スマートフォンでも応用できますよ。
 「こんな変な慣用句、絶対使いたくない!」とおっしゃるなら無理におすすめしませんけど。あ、ちなみにこういう勝手な言葉を使って新人賞なんかに応募したりすると、確実に減点対象になると思うので御注意くださいな。

<何やってるんですか!?>
 成俊は家庭を捨て昔の恋人のもとへ走った

 だめですよ!

<卑怯ものー!>
 隆次は主君を裏切って敵方に走った

 さいあくー! 裏切り者ですよー!
 でも、こういう場面があるからこそ時代小説は面白いんですよねー。

<危ない性格?>
「どうもあの人は極端に走る傾向があるのよね」
 同僚の不可解な行動に面食らった百香は頭を抱えた。

 困りますよねー、そういう人。
 ところで「百香(ももか)」って名前、可愛いですねー。
 ちなみに小太郎君の飼っているハムスターは「もも」ちゃん!
 ちょー可愛いジャンガリアンだよ!

<元々は「馬に乗って走る」という意味でした>
 平原を野生馬が群れをなして駆けていく。

 犬や猫、馬だって走ります。まあ当たり前のことですが、特に馬に関しては「走る」よりも「駆ける」ほうがしっくりくるかもしれません。「駆」は馬偏ですから、もともとは馬の動作を表す漢字だったと考えられます。ちなみに乗物を主語として「駆ける」を用いることはできないと説明している辞書もありますが、

<車ならいいのかな?>
 サバンナをジープで駆ける

 というように、車やバイクに限っては使ってもよさそうです。
 対して "電車が駆ける" というのはさすがにおかしな表現になってしまいます …… たぶんね …… 「これは画期的な表現だ!」と文壇で注目されることがあるかもしれませんけど …… まあ、なさそうですね。使わないほうがいいです。

<鳥さんにも使えちゃう???>
 雲雀が大空を翔けていった。

 こんな文章をすっと書けるようになると、文章がぐっと味わい深くなりますよね。

<何が起こったの!?>
 その知らせを聞いて、加奈子は居ても立ってもいられずに事件現場に駆けつけた

 "取る物も取り敢えず" という心境で使えます。
 "その知らせ" という部分の具体的内容を敢えて伏せたまま、作品の冒頭でこんな文を書いたりすると読者さんの興味を惹けるかもしれません。

<瞬発力が大事です>
 そのとき足裏で微かな揺れを察知した。
 それはすぐに全身を巡る不快な振動に変わる。
「地震だ!」
 私はそう叫んで慌てて戸外へ駆け出した

 慌てると怪我しますよ? 落ち着いて行動してくださいな。

<帰宅を待ちわびていました>
 家に帰ると飼い犬のタローが駆け寄ってきた。

 こばとは別に動物とか好きじゃないけど。

<足腰が鍛えられます>
 ふと自分の体力を試してみたくなった。
 意を決して険しい坂をひと息に駆け上がる。
 しかし激しい息切れと動悸が、衰えた肺を押し潰すかのように襲いかかってきた。
 やはり齢七十を迎えようとする老体には無謀な挑戦だったかもしれない。

 70歳!? "適度" な運動を心がけてくださいなー。

<一瞬の出来事です>
 目の前を駆け抜けて行った男の顔に見覚えがあった。

 人違いじゃない?

<あちこち走り回ります>
 ①子供の頃は日が暮れるまで山野を駆け巡って遊んだものだ。
 ②遠い昔。こばとが経営する小さな出版社「あとりえこばと」が倒産しそうになったとき、修君は金策に駆けずり回ってくれました。

 遠い昔といっても、1990 年代のことだけど。バブルが崩壊して大損害を受けたときね。修君、あのときは本当にご苦労様でした。

<足を止めずに!>
 終電に間に合わせようと駅まで駆け通しました。

 意識しないとなかなか使えない表現ですね。
 「目的地まで止まらず走る」というときに使えます。
 こういう言葉を選択肢として持っていると便利ですよね。

<真剣に走ります>
 ①沿道の観客の声援に後押しされて、市子は力走した
 ②アスファルトを焼きつくすような激しい直射日光の下、足元から立ち上る陽炎を振り払うように市子はひた走った

 「ひた走る」を漢字に直すと「直走る」。
 文字通り「脇目もふらずにまっしぐらに走る」という意味です。

<少し古風な言葉です>
 ①結婚してもう数年が経つというのに、
  ふとした瞬間に健一は昔の恋人に思いを馳せていた。
 ②健一は意を決して昔の恋人のもとへ馳せた

 ①と②ではえらい違いですよ! ①の「思いを馳せる」は思念だけが相手のところへ達している状態です。つまりあくまで空想。②は本当に行ってしまうことです。既婚者の皆さんは「馳せる」のは「思い」だけにしておかないと、あとあと大変面倒なことになりますよ!

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