Boolean (ブール型変数)
VBA の Boolean (ブール型変数) は True または Falseの 2 種類の値のみとります。
True は「真」、False は「偽」の意味で、ある条件式が正しいかどうか(真偽)を判定するときなどに用います。
ちなみに、こばとは正直者なので、その発言は全て True(真)なのです。
え? 嘘ばかりつくな?
まあ、とにかく講座を始めますよ。
まずは簡単なマクロでブール型変数を試してみましょう。
Sub TrueOrFalse1()
Dim tf As Boolean
tf = (10 = 10)
Debug.Print tf
End Sub
等式 10 = 10 が成り立っているかを判定するマクロです。この式の "=" は「等しい」ことを表す記号で、値を代入しているのではありません。一方で変数 tf のあとの "=" は値を代入するものです。紛らわしさを避けるために式を ( ) で括ってありますけど、
と記述しても同じです。もちろん等式 10 = 10 は正しいので、このマクロを実行すると True が返ってきます。このマクロを少し書き換えて
Sub TrueOrFalse2()
Dim tf As Boolean
tf = (5 > 10)
Debug.Print tf
End Sub
としてみると、5 > 10 は正しくない不等式なので False と表示されます。
実は True の正体は「-1」、 False の正体は「0」という数値 (16ビットの整数) です。なので、たとえば
Sub IntTrue()
Dim i As Integer
i = (10 = 10)
Debug.Print i
End Sub
のように書いて、True を整数型変数 (Integer) に入れてみると「-1」の値が表示されます。また、
Sub IntTrue()
Dim i As Integer
i = (5 > 10)
Debug.Print i
End Sub
のように書いて、False を整数型変数に入れると「0」が返ってきます。Boolean 型の True や False を数値として用いると色々な場面で応用することができます。たとえば下の図にあるような 2 列に並んだ数値の中から、となり合うセルの数値が互いに等しい組をかぞえてみます。
Sub EqualNumber()
Dim tf As Boolean
Dim i As Integer
Dim s As Integer
For i = 2 To 11
tf = Cells(i, 2) = Cells(i, 3)
s = s + tf
Next i
Debug.Print Abs(s)
End Sub
変数 s に True の値「-1」を加算させています。Abs関数で絶対値をとれば求める組の個数がカウントされます。上のワークシートの通りに数値を入力した場合、このマクロを実行すると「3」という数値が返ってくるはずです。