VBA 基本技術カテゴリの記事です。今回はセル範囲の 座標とサイズ を取得する方法を解説します。オートシェイプを作る場所やサイズを決めるときに重宝します。
【VBA】Top, Left, Width, Height プロパティ
Rangeオブジェクトにはセル範囲の位置と幅の情報を得るために Top, Left, Width, Height の 4 種類のプロパティが用意されています。たとえば C4:D5 に適用した場合は、それぞれ下の図のような値を取得します。
選択したセル範囲の位置とサイズの情報を取得する簡単なプロシージャを書いてみます。
'[VBA] 選択範囲の位置とサイズを取得します
Sub Range_Position()
Dim cleft As Double, ctop As Double
Dim cheight As Double, cwidth As Double
With Selection
cleft = .Left
ctop = .Top
cwidth = .Width
cheight = .Height
End With
Debug.Print cleft; ctop; cwidth; cheight
End Sub
たとえば、上図のような状況で C4:D5 を選択して Range_Position() を実行するとイミディエイトウィンドウに 96, 54, 96, 36 のような数字が並びます(もちろん開いているシートの行幅や列幅によって出力される値は異なります)。
Width とか Height とか書くのが面倒くさいというような人のために、数字を指定して必要な情報をとる Function Macro (ユーザー定義関数) もつくっておきました。
'[VBA] 単独セルの位置と幅を取得するファンクションマクロ
Function CPOS(y As Integer, x As Integer, n As Integer) As Double
Select Case n
Case 1
CPOS = Cells(y, x).Left
Case 2
CPOS = Cells(y, x).Top
Case 3
CPOS = Cells(y, x).Width
Case 4
CPOS = Cells(y, x).Height
End Select
End Function
この関数を呼び出すときは
=CPOS(行, 列, 情報番号)
と記述します。情報番号はそれぞれ
1:left, 2:Top, 3:Width, 4:Height
に対応しています。たとえば
=CPOS(4,3,3)
とすれば、C4セルの幅の値を取ってくれます。
マウスで好きなセル範囲を選択して、そこにぴったりはまる長方形を作成するプロシージャを載せておきます。
'[VBA] 選択した範囲に長方形を作成するマクロ
Sub Make_Rectangle()
Dim p1 As Single, p2 As Single
Dim s1 As Single, s2 As Single
With Selection
p1 = .Left
p2 = .Top
s1 = .Width
s2 = .Height
End With
ActiveSheet.Shapes.AddShape(msoShapeRectangle, p1, p2, s1, s2) _
.Fill.Visible = False
End Sub
たとえば次のように B3:D4 の範囲を選択して Make_Rectangle() を実行すると …
長方形ができましたね! ちなみに AddShapeメソッドは
Shapes.AddShape(図形の種類, Left, Top, Width, Height)
という記述で Shapesコレクションに新しい図形を追加しますけど、
Left, Top, Width, Height
の部分に選択範囲の位置と幅の情報を指定しているのです。他にも円とか矢印とか、好きな図形を描けるので色々試してください。
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