VBA には 午前 0 時から経過した秒数を返す Timer 関数が用意されています。戻り値は単精度浮動小数点型 (Single) です。そんな関数をいったい何に使うのかといえば、主にマクロの中に書かれたコードの処理時間を計測するために用います。
【VBA】Timer関数を使って処理時間を計測します
VBA のコードを書くときに複数の方法を思いついて「どっちのほうが速いのかな?」と迷ったときには Timer関数 を使って計測してください。
最初に For…Next ステートメントを用いて二次元配列に 100 万個のデータを入れて処理時間を計測してみましょう。といっても、これぐらいの処理なら一瞬で終わります。
'[VBA] 処理時間計測サンプルコード(1) Option Base 1 Sub Process_Speed_Test_A() Dim starttime As Single Dim myspeed As Single Dim j As Integer, k As Integer Dim y As Integer Dim x(1000, 1000) As long y = 0 '処理前の時刻を記録 starttime = Timer For j = 1 To 1000 For k = 1 To 1000 x(j, k) = y y = y + 1 Next k Next j '処理時間を記録 myspeed = Timer - starttime Debug.Print "処理時間は" & myspeed & "秒です" End Sub 'Process_Speed_Test_A()の実行結果: '処理時間は 0.078125 秒です(実行環境によって表示される速度は異なります)
Timer 関数で処理時間を計測するときには、計りたい処理の直前でまず最初の値をとります。Process_Speed_Test_A では繰返し処理直前に
starttime = Timer
で時刻を取得して変数 starttime に入れています。そして処理の直後にもう1度値をとって、最初にとった時刻から引き算して処理時間を計測します。
myspeed = Timer - starttime
次は予めワークシートの A1 セルから ALL1000 までの 100 万個のデータを2次元配列に放り込む時間を計ってみます。
'[VBA] 処理時間計測サンプルコード(2) Sub Process_Speed_Test_B() Dim starttime As Single Dim myspeed As Single Dim myrange As Variant '処理前の時刻を記録 starttime = Timer myrange = Range("A1:ALL1000") '処理時間を記録 myspeed = Timer - starttime Debug.Print "処理時間は" & myspeed & "秒です" End Sub 'Process_Speed_Test_B()の実行結果: '処理時間は 0.375 秒です
やっぱり、ワークシートから値を取り込むにはかなり時間がかかりますね。
Timer 関数を使うと、セルの値を一定間隔ごとに更新するようなマクロも作れます。
Sub AutoUpdateCell() Dim startTime As Double Dim interval As Double Dim currentValue As Long ' 初期化 interval = 3 ' 更新間隔(秒) currentValue = Int(Rnd() * 100) ' 0から99のランダムな整数を生成 ' 初回の値表示 Range("A1").Value = currentValue ' タイマー開始 startTime = Timer Do ' 一定間隔で値を更新 If Timer - startTime >= interval Then currentValue = Int(Rnd() * 100) Range("A1").Value = currentValue startTime = Timer ' タイマーリセット End If DoEvents Loop End Sub
AutoUpdateCell を実行すると、セル A1 に表示される値が 3 秒ごとに更新されます。コード内でランダムな値を使用していますが、必要に応じて変更してください。上記のコードを実行すると無限ループに入るため、実行後に VBA エディタのリセットボタンをクリックして手動で停止するか、適切な条件でループを終了する処理を追加してください。
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